上記の例は、x, y は、ともに、1.0より大きく10.0未満の、一の位の正の実数です。
演算の結果は、積が、1.0より大きく100.0未満、商が、0.1より大きく10.0未満の、範囲です。
x, y が一の位以外では、演算の結果が、0.1から100.0未満の範囲を、超える場合が生じます。
この場合には、計算に用いるx, y を、1.0より大きく10.0未満とする、対処が必要です。
例えば、2000*0.04 = 2.0*103*4.0*10-2 = 2.0*4.0*103-2と、処理します。
2.0*4.0の演算の結果に、位取りの処理として、103-2 = 10を、掛け合わせます。
x = y =
対数のグラフ
y = log b x
対数の式 y = log b x において、xを真数 、 b を底と、呼びます。
底が b = 10 の場合は、常用対数と呼ばれ、底を省略して、y = log x と、表記します。
底が b = 2.71828 の場合は、自然対数と呼ばれ、y = ln(x)と、表記されます。
底1 = 底2 = とする
指数関数的増加
変数の増加とともに、関数の値が、増加する現象が、存在します。
それは、一次関数 y = a*x、二次関数 y = a*x2 、指数関数 y = ax などで、表現されます。
a = 2,x = 2とすると、二次関数で y = 2*22 = 8 、指数関数で y = 22= 4 です。
a = 2,x = 10とすると、二次関数で y = 2*102 = 200、指数関数で y = 210 = 1024 です。
両者を比較すると、指数関数の方が、急速に増加することが、理解できます。
この増加は、指数関数的増加と、呼ばれています。
係数(k)を用いると、指数関数の式は、y = ak*x になります。
両辺の常用対数をとると、log a y = log aak*x = k*x*log aa = k*x 、になります。
このことは、log a y は、一次関数 log a y = k*x、で表現できます。
この関係は、以下の操作で、グラフ上で、確認できます。
係数(k) = 底(a) = とする
log a y と ak*x のグラフ
片対数グラフ
データ x,y が、log a y = k*x で、表現できるか否の判断に、片対数グラフの利用があります。
次のデータ x,y を、片対数グラフ上に、プロットします。
x1,y1 / x2,y2 / ・・・ = 1,2.71828/3,20.08549/6,403.427/4.5,90.0168
上記のグラフより、データは、一次関数 k*x の直線で、表現されています。
さらに、直線の傾きは、k = 0.4343と、算出されました。
このことから、データは、指数関数 y = a k*x において、y = 100.4343*x で、表現できます。
或いは、指数関数が y = a x とすると、a = 100.4343 = 2.7183、となります。
半減期に関して、以下の諸点を、留意します。
(1) 半減期は、反応物質の初濃度[A]0に、依存せず、一定です。
反応のどの途中段階からも、その半分の濃度になる時間は、いずれも同じです。
(2) 半減期は、化学反応においては、反応速度定数 k に、依存します。
反応速度定数 k は、化学変化の活性化エネルギーや、反応温度に、依存します。
初濃度[A]0 = 1 とする、指数関数の式 y = e-k*t に対して、両辺の常用対数をとると
log y = -k*t*log e = -0.43429*k*t
従って、log y は、時間 t に関して、傾きが-0.43429*kとなる、一次関数です。
これから、t と y に関するデータが、指数関数の式で、表現できるか否かを、判断できます。
y に関して片対数グラフを用いて、データをプロットして、直線か否かを、判断します。
さらに、直線の勾配から、速度定数 k や半減期 t1/2 が、算出できます。
下図は、データ 0,1/0.5,0.4724/1,0.2231/1.5,0.1053/2,0.0498・・・を、用いた例です。
o 印は、log y の値を、片対数グラフ上に、プロットしました。
o 印を結ぶ線は、直線的であり、隣接間の平均の勾配は、-0.6509と、算出されます。
平均の勾配値より、k = 1.4987、t1/2 = 0.4624 と、算出されます。
この値から、赤線で、e-k*t の指数関数を、描画しました。
o 印は、データの値であり、指数関数上にあることが、明らかです。
反応速度定数 k が、0.00001 < k < 10000 の範囲において、上記のグラフを、描画できます。
この k の範囲は、70000 > 半減期 > 0.00007 に、対応します。
また、与えられた、t と y の入力データより、上記のグラフを、描画できます。
データの様式は、t1,y1 / t2,y2 / ・・・ に関して、 0,1/1,0.3679/2,0.13539・・・
以下の数値は、入力データの、一例です。
( k = 1) 0,1/1,0.3679/2,0.13539/3,0.0498/4,0.01832/5,0.006738
( k = 10000) 0,1/0.0001,0.3679/0.0002,0.13539/0.0004,0.01832/0.0006,0.00249
( k = 0.0001) 0,1/10000,0.3679/20000,0.13539/40000,0.01832/60000,0.002479
( k = 0.5) 1,30.327/3,11.157/2,18.394/0,50.000/4,6.767/5,4.104/6,2.489
( 不適合) 0,1/1,0.3879/2,0.22539/3,0.0298/4,0.01032/5,0.006738