はじめに
人間は、夢想の世界に、住むことができます。
夢想の世界は、あらゆることが可能であり、自由を謳歌することが可能であり、生きていく力を与えます。
人間は、現実の世界に、住んでいます。
現実の世界は、自然的・社会的制約が多く、人間の意のままにならず、人間の夢の前に立ちはだかります。
自然や社会は、それ独自の法則性・必然性を、持っています。
人間の自由と自然・社会の必然性は、対立するのかどうか? その関係を、エンゲルスは、考察しています。
エンゲルスは、反デューリング論の「道徳と法 自由と必然性」の項において、以下の言及を、しています。
『へーゲルは、自由と必然性の関係をはじめて正しく述べた人である。 彼にとっては、自由とは必然性の洞察である。』
『自由は、夢想のうちで自然法則から独立する点にあるのではなく、これらの法則を認識すること、そしてそれによって、これらの法則を特定の目的のために計画的に作用させる可能性を得ることにある。』
『自由とは、自然的必然性の認識にもとづいて、われわれ自身ならびに外的自然を支配することである。 したがって、自由は、必然的に歴史的発展の産物である。』
2020年は、小惑星探査機「はやぶさ2」が、小惑星のリュウグウへの、52憶qの旅から帰還した年です。
この旅路の選択は、地球・太陽・「はやぶさ2」の運動を支配する、天体の法則の適用によって、可能です。
天体の運動法則は、ニュートンによって、17世紀に、ニュートンの力学として、明らかにされました。
20世紀の後半から、コンピューターの発展により、ニュートンの力学の適用が、容易になりました。
2020年は、新型コロナウイルス感染が、始まった年です。
新型コロナウイルス感染の克服は、コロナウイルス感染の必然性の認識が、必要です。 ウイルス感染の必然性の認識は、科学者の仕事です。
必然性の認識にもとづいて、感染を克服する対策を行うのは、為政者も係る仕事です。
為政者は、専門的な科学者の認識に、耳を傾け、それを理解する能力が必要です。
そうでないと、感染克服の可能性を失い、ウイルス感染の必然性に、翻弄されます。
科学は、自然や社会の必然性を、明らかにします。
科学の発展によって、人類が持っていた様々な夢が、現実になっていきます。
科学者の努力は、人類に、自由の領域を、広げていきます。
このことは、人類一般だけでなく、個々人にも、同様です。
個人の勉強は、人類が獲得した必然性の知識を、自からが獲得できます。
個人の勉強の努力は、個々人の自由な世界の領域を広げ、夢の実現の可能性をもたらします。
|
|
尽きせぬ・・・摩周湖と暦情報データベース
摩周湖は、北海道の東部、夏季には霧が発生する、釧路湿原の北端に、位置します。
摩周湖は、幸一が住んでいた網走市・山里から、藻琴山を超え、車で一時間ほどの、弟子屈町にあります。
摩周湖は、海抜600メートルほどの、崖に囲まれ、水面の標高が355メートルの、カルデラ湖です。
摩周湖の景観は、朝焼けの湖面と摩周岳、満月に輝く湖面とカムイシュ島など、尽きせぬ魅力があります。
幸一は、摩周湖の魅力を、カメラに収め、「オホーツク・摩周湖の四季」の写真展などで、発表しています。
|
 |
|
撮影には、尽きせぬ思い出が、様々あります。
屈斜路湖畔にテントを張り、熊の出没を気にしながら眠りに、夜明け前に、心をはずませ摩周湖に。
夜明け前、茜色の空と湖面。摩周岳の影の湖面に、突如・宝石の輝き。黄金色に広がる、湖面の移ろい。
重たい機材を背に、かんじきを履いて、月光の雪道をとぼとぼ、天候が悪くなり、引き返すことも。
中秋の名月は、摩周湖で。日没から数十分、月の出の摩周岳。静寂のカムイシュ島が、銀白色の月光の中に。
撮影には、霧や風雨などの天候、日の出や満月の日時と時刻、撮影場所の選択など、課題があります。
しかし、日の出・日の入りの時刻、満月の日時と時刻は、予知が、可能です。
撮影場所は、太陽や月が見える方位や高度を、地図上に作図をすれば、選択できます。
幸一は、「自由とは必然性の洞察である。」の命題が、いつも念頭にあります。
太陽や月の運動の必然性から、撮影の日時・時刻や場所は、選択が可能になり、計画的な撮影ができます。
太陽・月の位置は、「天体位置略算式の解説」(井上圭典・鈴木邦裕共著、1991年発行)で、計算可能です。
幸一は、発行間もない同書を、購入し、汎用コンピュータを用いて、プログラムを、作成しました。
位置の検索機能として、太陽・月の方位や高度、年月日や時刻に関して、検索範囲が、設定できます。
これから、満月の年月日と時刻が分かり、太陽・月の方位や高度に関して、分単位の値が、入手できます。
また、撮影地での緯度・経度を入力すると、撮影地点での、太陽・月の見える方位や高度が、分かります。
地図上に、太陽・月の方位を作図すると、撮影場所が選択でき、撮影時刻の決定が、予め可能になりました。
当初は、撮影地の緯度・経度の入手、太陽・月の方位の作図は、国土地理院の地図を、利用していました。
インターネットの時代を迎え、グーグルマップの利用で、緯度・経度の値が、取得できるようになりました。
グーグルマップ上での作図も、可能になり、紙での作図が省け、撮影場所の選択が、容易になりました。
太陽・月の位置計算は、北海道大学情報基盤センターの、「暦情報データベース」として、公開しました。
これを、ダイヤモンド富士山の、撮影の日時と場所の選択に、利用する人がいると、知りました。
|
|