記録媒体の寿命と容量



デジタル情報の記録媒体
HDやUSBメモリーは、デジタル情報を保存する記録媒体として利用されます。
スキャナーなどで複写した書籍の画像情報を保存するには、どのような記録媒体を利用すればよいか。
情報処理機器の発展を教訓に、媒体の寿命と容量から検討します。

記録媒体の寿命
パソコンが個人に普及し始めたのが、1990年移行です。 当時の外部記憶媒体は、フロッピーディスクです。
2000年以降は、USBメモリが登場し、フロッピーディスクは市場から姿を消しました。
記憶容量は、フロッピーディスクの1MB程度から、2019年での数TBのUSBメモリに、100万倍に増加しています。
電子記録媒体への情報の入出力には、媒体に対応するドライブが必要です。
フロッピーディスクのドライブが入手が困難な現代、フロッピーディスクへのアクセスは不可能です。
フロッピーディスクに蓄積された情報は、容量の大きい新規のメモリに複写していないと、利用できません。
電子記録媒体は、物理的要因などで破損して、アクセスが不可能になることがあります。

以上のことから、以下の点を考慮することが重要です。
@ 電子記録媒体の寿命は、記録媒体のドライブを含めた市場での寿命を考慮する。
A 新規の記録媒体の出現に際して、古い媒体から新しい媒体へ、記録の複写を行う。
B 複数の記録媒体を用いて、記録の多重化を行う。

記憶媒体の容量
書籍のデジタル画像を保存するのに、どの程度の容量が必要か、どの記憶媒体を用いたらよいかを検討します。
A4サイズの書籍を300DPI・白黒モードで複写すると、1ページが100KB程度になります。
この値を目安に、容量を検討します。
1冊が500頁とすると、冊数と保存に必要な容量の関係は、以下のようになります。
冊数110010001万10万
容量50MB5GB50GB500GB5TB

保存に用いる記憶媒体の容量は、パソコン対応に限定すると、以下のようになります。
媒体DVDUSBHD
容量4.7GB2GB〜2TB40TB
USBに関しては、2019年現在での、利用可能な容量の範囲を示しています。
HDに関しては、最大の容量を示しています。

電子書籍1冊を頒布するには、650MBのCDで十分です。DVDには、100冊程度が収納できます。
5000冊ほどの研究室の書籍を電子書籍化するには、250GB程度のUSBメモリで対応が可能です。
蔵書が5万冊ほどの図書館の電子書籍化するには、2.5TB程度のHDが必要です。
紙を媒体とした書籍の収納には、それなりのスペースと施設が必要です。
しかし、電子書籍化を行えば、1冊の書籍程度のスペースで済みます。